流と亮太過去

二人の仕事はなんか裏社会的な人殺したりするやつマフィア的な。でかいグループの中の一つみたいなところに元々二人とも所属してた。ただ事務的な会話以外はしたことがなかった。流は仕事ができることでちょっとだけ有名だった。そんな流がグループの中のもう少し上の方に所属できることになる。警察でいう所轄から県警みたいな。

流が異動する3日くらい前の日、仕事の合間のちょっとした休憩で亮太は流に話し掛けられる。というかそこで告白される。
亮太は外での仕事は得意だけど事務仕事は苦手で、しかも外仕事での自分のすごさを自覚してないから、なんでこのエリートが俺なんかに?悪戯か?と最初は思った。でも流の声も肩も震えてたので本気なんだと察する。同時に嫌悪感とか気持ち悪いとかの感情が込み上げて来る。
しかし亮太も一応大人なのでそこは表に出さない。すんません男にこんなこと言われて気持ち悪いですよね、って言われてそこは否定もしきれず「いや…」ぐらいしか言えなかった。これで最後だから伝えたかっただけで返事を求められてないのが幸いだったけど、その後も流からの視線を感じるたびに何自己満で言ってんだよ気持ち悪いんだよふざけんなよってイライラしてた。

その日家に帰ってなんとなくテレビを点けたらまあ深夜なのでアダルトな番組(男女の)がやってて、最初はぼおっと見てたけど、ふとあいつが自分をこういう目で見てるのかと思ったら気持ち悪さが最骨頂になって嘔吐する。

流が異動する前の最後の日。外仕事で二人で組むことになってしまう。喋らないし視線すら合わせない。仕事中妙に連携が取りやすくて最悪な気分になる。会社?に戻ってきて報告書を書いてたら流の手が止まっちゃってることに気付く。なんだよくそっと思いつつ覗いてみると計算のところで止まってた。
そんなに難しい計算じゃなかったからパパッとやってあげる。でも流は外仕事も事務仕事もできるって聞いてたから、今ののどこでそんな困ってたんだと聞いたら気まずそうに計算苦手なんですと言われる。いつもできてたのは電卓があったからだと。ついでに漢字も駄目なことがバレる。
あれっこいつ頭悪くないか?異動して大丈夫か?とちょっと思ったけどまあ自分の知ったことじゃないなと思い直す。そしてそのまま流はいなくなる。

 

しばらく経ってグループ内でのパーティみたいなのが開かれる。パーティの形をとった情報交換みたいな。
そこで上の立場の人に話し掛けられたと思ったらその人の隣に流がいた。顔見知りな反応したから上の人も流になんだお前の知り合いかーってなる。そしてあんたうちに来ないかと誘われる。流最高に気まずい顔する。上の人がいなくなってから流にすみませんでした俺から断ること言っとくんで、って言われる。
ただ亮太としては悪くないかなと思ってた。普通に考えれば出世ってことだし。流がいるけどそんな関わるとも限らないし。というか告白されてから随分時間が経ったし、こいつももう自分のことなんとも思ってないんじゃないか?とも思った。
まだ好きだったとしても告白されてから時間が経って、亮太の中では気持ち悪さもあったけど、このエリートが自分みたいなどこにでもいる実力のやつを好きっていうのは、もしかしたらちょっと使えるんじゃないか?そうでなくとも何かしらの優越感を感じ始めてもいた。流はわりと女の子にももてたし。
ということで異動を決定。流困惑。実際異動してまああまり関わらないわけはなかったし、最初は流が気持ち悪くて仕方なかった。ただ時が経つにつれ流個人のことも前よりは知ったし、連携が取りやすいのもあって"自分の"後輩だという意識も芽生えてきた。使えるんじゃとか優越感とかは無くなってない。

 

そして二人でカロスに行ってちょっと仕事してくれないかと言われる。事務所内でも二人の連携がいいことはみんな知ってたので、ほとんどの仕事を一緒にやってた。ただ、出張みたいなことになると二人で泊まることになるので流に断わっていいですよと言われる。

でもまあどうせこいつ何もできないだろ(してきたら殺す)と思ったので承諾した。なんで断らなかったんですかって言う流に、ていうかお前まだ俺のこと好きだったのか、って言ったらすいませんって言われる。別にいいよって考える前に口に出してて自分でもびっくりするし流もびっくりしてる。

亮太はイッシュでまだ仕事があったので先に流に行っててもらう。そこで亮太が来る前に流が光くん達と出会う。