セキ過去

いつも笑顔で明るく友達の多い双子の兄、シキに対してコンプレックスを抱いている。誰からも好かれる兄と違い、セキは気難しい性格だったし、疎まれがちな色違いということも相まって、友人もあまりいなかった。ならば兄とは違う長所を持てばいいと様々な事に挑戦したが、どれもうまくいかなかった。
そうしていく内にシキ自体のことが嫌になり始め、シキのことを避けるようになる。セキ自身の性格も段々暗くなっていく。

ある日、シキと些細なことで喧嘩をする。腹が立っていたこともあってセキは家出をしようとする。しかし、その時シキが今までにないくらい必死になって止めようとする。それに少なからず何かを感じたセキは、家出するのを止めて仲直りする。
それから二人で話し合いをする。セキは今まで思っていたことをほぼ全て告げる。シキも今までセキに言っていなかったことを話してくれた。その時にシキが弱音や愚痴のようなこと言ったのだが、セキには誰にも弱音や愚痴を吐くことがなかったシキがそういったことを言ってくれたのが嬉しくもあり、それからはシキを嫌ったり避けることはなくなった。シキに対するコンプレックスがなくなったわけではない。しかし人より秀でているものを見つけた。掃除である。あまり嬉しくない。


ちなみに、セキが色違いであるにも関わらずあまり偏見の目で見られていないのはシキが色々しているからなのだが、セキはその事実を知らない。