タマキ

タマキはほとんどの人にとってはお人好しのいい人だけど、近くなっていけばいくほどちょっとおかしいところがあることに気づく。オトハが主にそう。兄弟はもうタマキってこういうやつだよってなってる。
例えば、ヨウイチとタマキがお互いの階段降りてる足音聞いて「あいつの足音がするからそろそろこっち来るよ」って言った時、ヨウイチは周りにはタマキの足音なんてわからないっていうのをわかってるけど、タマキは「え?だってこれあいつの足音だし」ってなる。


タマキはみんなに優しいし思いやりがあるのは確かなんだけど、タマキの優しさって元来のものというか「そうした方がいいから」とか「かわいそうだから」とかで、本人は意識してないけどその人が好きだから優しくしたいとかじゃない。優しくする理由が個にあるわけじゃないからみんなに優しい。
タマキの場合、優しいってことは相手に自分の意見を押し通す気がなくて、相手に自分を出して向き合ってるわけじゃない。優しい理由が個にないから、極端な話別にその人じゃなくてもいいわけで。優しくしてる相手ってタマキにとっては替えのきく存在。タマキはそのことを自覚してない。
タマキが自分の意見もバシバシ言って相手に対して譲歩しないのはヨウイチだけ。タマキも含め、ヨウイチ以外誰もそれに気付いてない。だからヨウイチはたまに、お前はオレ以外どうでもいいんでしょって言う。